<真相>
浮上した三つの問題を検証
業界を挙げた対応が急務に

 家電のリサイクルに立ちはだかる想定外の事態に,今多くの関係者が頭を悩ませている。不要になったCRTテレビの処理をめぐって浮上した三つの「2011年問題」に対してである。リサイクルの現場に何が起きているのか。その実態を検証していく。

<提言>
今こそ見直す向き合い方
コストダウンも現実に

 CRTテレビの「リサイクル2011年問題」は,電機メーカーがリサイクルへの取り組みを見直すいい機会になる。リサイクルはこれまで,環境への取り組みをアピールするのが主目的だったが,最近ではやり方によってはコストダウンにつながることも分かってきた。リサイクルへの取り組みで先行することは,単に企業イメージの向上にとどまらず,競争力の強化にもつながる。

<資料編>
主要機器のリサイクルの現状

携帯電話機:立ちはだかる「思い出」の壁回収の認知度向上も課題
クルマ:三つの部位のみが対象登録制が運用面に奏功
パソコン:家電と異なる前払い方式メーカーに重い負担と責任
複写機・複合機:同一拠点でリサイクルとリユース系列・集約化でメリットを確保